誤解されている登山用具「登山靴」

その靴で本当に大丈夫!?

その靴で本当に大丈夫!?

登山靴は非常に重要です。とは言っても、年齢が若く登山経験と一定以上の筋力がある人はこの限りではありません。そういった方々は靴は何でも構わないのかもしれません。実際私も30代までは、いわゆる夏山用の靴は持っていませんでした。

しかしながら、筋力が無い方や登山の実力が無い方は、しっかりとした本物の用具に頼るべきです。用途に合った靴ならば不得手な場所でも靴があなたをサポートしてくれます。ただし、用途やレベルに合っていない靴を選んでしまうと、とても痛い目に遭う事があります。つま先を痛めたり、マメや靴擦れが出来たり、歩きにくかったりなどなど、山靴の“痛い目”は本当に一歩ずつ痛いのです!

登山靴は小売価格で分類できる!

登山靴、値段と格好だけで選んでいませんか?

登山靴、値段と格好だけで選んでいませんか?

山のお店の山靴棚の前で圧倒されているあなた、そんな時はまず山靴を2つに分類し、次に3つに分類しましょう。はじめの2つとは、無雪期用の靴積雪期用の靴の事です。次の3つとは、歩く為の靴登る為の靴クライミングする為の靴の事です。

・「歩く為の靴」とは、メーカー希望小売価格で10,000円から20,000円程度、山の標高が1,000mから1,500mクラス用に使う軽登山用として売られています、特徴としては靴底も含め全体的に柔らかな仕上がりの靴です。

・「登る為の靴」とは、メーカー希望小売価格で30,000円から40,000円程度で、山の標高が2,000mから3,000mクラスの無雪期登山用として売られています、仕上がりは全体的に締りの良い作りで靴底もしっかりしています。

・「クライミングする為の靴」とは、メーカー希望小売価格で40,000円から60,000円程度で、山の標高ではなく、冬季以外の残雪や岩場に対応する為にアッパーはソフトで靴底は堅く仕上がっています。

格好良い登山靴が欲しいけど…

流行りのロックシューズは日本の登山に向いてないかも?

流行りのロックシューズは日本の登山に向いてないかも?

山靴の分類が済んだところで、次は「じゃあどの靴を買えばいいの?」ですね。一つ断言できる事があります、それは山歩きを好まれる方にはクライミングタイプの靴は合いませんと言う事です。

流行りのカラフルなロックシューズは、靴底が堅く、ソールのパターンが浅い靴です。何故ならば、本来の目的がアルプスでのクライミング用だからです。氷河を歩き岩場のルートを登る為、つまり土の道ではなく岩場や雪上を歩くのに適したタイプなのです。このようなタイプの靴で土の道を歩くと、靴底が堅いので歩きにくい、パターンが浅いので土が詰まり滑りやすい、といった問題に直面します。つまりロックシューズは岩場歩きが主なバリエーション向きの靴であり、一般縦走路を歩く登山には向いておりません。見た目だけで選んではダメですよ、用途に合った靴を選びましょう。

登山靴選びも大切だけど、正しい歩き方を覚えよう

平地と山での歩き方の違いとは?

平地と山での歩き方の違いとは?

次に“歩き方”のアドバイス。山は平地とは違います。まず斜面がある、不整地である、標高が高い、荷物を背負っている、雨や風が吹きつける、そんな場所では当然平地と違う歩き方があります。正しい歩き方のコツをお教えしましょう。

① 靴の中で指先を軽く伸ばす。
② 足首をロックした状態で踵ごと持ち上げる。
③ 着地は拇指球で降りる。
④ その前にもっと大事なことは、正しく靴を履く事です。

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さあ、解りましたか? 正しく靴を履いて、正しく歩くと登山がもっと楽になりますよ。ここで書けない事やもっと詳しい事は、MONTJAガイドツアーでお話します、ぜひご参加くださいね。

日本山岳ガイド協会認定ガイド

平川 陽一郎
平川 陽一郎
1958年3月2日生まれ。立正大学山岳部としてカラコルム、リンクサール峰、シシャパンマに遠征。北アルプスや谷川岳の登攀経験も豊富。登山用品店の店長を歴任後、豊富なアウトドア用品の知識を活かし登山ガイドとして独立。嫌いな食べ物はパクチー。最近はサイクリングが日課。実はビリヤードが趣味だったりする。マウンテンガイド協会会長、日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ、危急時対応指導員、日本ノルディックウォーキング協会認定インストラクター、日本山岳会会員。